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CLOSED COSMIC

手のひら に 

   夜空 を 映し

     星 の 数

       数えながら 揺らめく

        月 の 影 

           そっと 呑み込 む




まるで 小さな 魚 の

   ように 寄せた 手のひら

      の 湖 で 瞬く 星々




何か 語り合って いるようだ

    秘密 の 話

      独り言

    可愛い 吐息






              今日 は ここ で

              ゆっくり お休み

              手のひら を 揺すり

              ながら 子守唄

              歌お う






星 は 次第 に

   発光 を やめ

     丸く 丸く 膝 を 抱え

        丸く 丸く 目 を 閉じて

           湖 の 底 へ 沈んで 行く






     湖 の 重さ が 増して きて

     湖面 の 動き も 止まった とき

     手のひら の 水

     静か に  静か に

     透明 な 水槽 に 

     注ぎ込も う






化石 の ように 眠 る

   星々 の 寝息 を

      聞きなが ら 




  窓 を 開け放つ と

   吸い込まれそう な

         暗 闇




      水槽 の 底

     柔かい 発行体

      時々 寝返り

      打ちなが ら

      可愛い 寝言






            しばらく 愛らしい 夢

            沢山 見るが 良い






星 を 起こさぬ ように

   そっと 窓辺 に 近づく と

      闇 に 向かって 両手 を 伸ばす

         記憶 の 途切れた 世界 へ 向かい






         闇

         全て

         闇

         の 中

         の 甘美

         な 世界

         誰

         の

         ため でも 無い

         小宇宙














先日、パン屋さんの前でのこと。
そこのパン屋さんでは自動ドアに、
「ここに手を近づけてください」
という表示があります。

皆さん、ご存じのように手のひらをかざすとドアが開きます。
一人のご年配のご婦人が、
「ここに手を近づけてください」
というところを指でずっと抑えていて、ドアが開かないと首をひねっていました。

私もパン屋さんに入るところだったので、「手を近づけるんですよ~♪」
と言いながら、ドアを開けました。

ちょっと笑える光景でした。



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KAMIN

人々 が 賑わい 浮かれ 騒いで いて も

  緑色 の 水 

    は その 質量 の まま

     淀み ながら 重たく 動いて いる




水面 に 映るはず の 灯り も

            月 の 瞬き も

  粘着質 の 液体 が 吸い取って しまい

     吹く 風 すら はじかれて 虚しく 失速 する




            そんな 重たい 流れ に

            心 を 浮か べ

            沈まぬ よう に

            そっと

            白い手 で 押しやって やる

            そ の  行 先




透明 な 風船 の ような 心 は

   割れる ことも 無く

      しばらく ゆらゆら 揺れて は いたが

  やがて ゆっくり ゆっくり と

     流れ に 押される よう に

       無感動 の 旅立ち を する




             心 が 取り除かれた 私 は

              呆けた ように 立ちすく み

               枯れた 桜 を 見上げて いる




空 は 灰色

 小雨 交じり

   人々 は 透明 な

   雨合羽 を 着たまま

   片っ端 から 塀 に
 
   干されて いく

乾く 日 が 来る とも

       来ない とも

  告げる 人 は いない






            心 の 無い 私 は

            干される でも 無く

            歩く ただ 歩く

              流れ に

                沿っ て

               ただ 歩 く






透明 な シャボン玉 の ような

私 の 心

すっかり 流れ に 馴染み

浮くとも 沈む とも つかぬ

器用な バランス で

進んで い る






       「後 を 追って 行こうか…」






    そう 思いながら

      足 は 言うことを 聞かず

      腕 も

      頭 も

      体 も

      言うことを 聞かず






    枯れた 桜 に

       しなだれた その 姿 の まま   


      道 行く 人々 を 

       目で 追って いる

         一人 また 一人 と 

           塀 に 干されて いくのを

              ただ じっと 見詰めて いる






私 は 全ての 景色に 手を 振って

 桜 の 根元 に 蹲り 洞 に 入ろう

  きっと 私 に ぴったり の 洞 が ある



そこに 入ったら

   自分 に 向けて

       手を 振って

 静かに 眠って みたい

    と 思う




    どうか 

    起こさないで

    どうか

    声 を 掛けないで

    とき

    満ちて 穢れぬ まま

    の 心 無事に 戻って きた

    なら ば

    私 は 

    桜 と 一体 と なり

    桃色 の 花 を

    咲かせよ う

    咲かせ て

    散らし て

    吹雪かせよ う



    その 時

       を

    待つ人が

      いる 

      のか




     私 は

    知らない












先週の土曜日、HIZAKIさんに案内していただき、浦安のお祭りに行ってきました。
数名のブロ友さんが集まり、たいへん楽しいひと時を過ごしました。
HIZAKIさんは、とってもお料理が上手で本当に驚きました!
生まれて初めて食べたのが、蛸を丸々一匹茹でて、鋏で切りながら食べるというもの。
HIZAKIさん秘伝のお醤油が、お魚さん達のおいしさを引き立てていました。

あっ、それからイカそうめんの上手な切り方も教えて頂きました!(^^)!
エンガワの美味しい食べ方もです(^^)

すこ~し、料理の腕があがったかな(笑)

一緒に時間を過ごしてくださったブロ友様、そのお身内様、本当にありがとうございました。

そして、何よりHIZAKIさん、ありがとうございました。

ブログをやってて良かった!!本当にそう思えた一日でした。




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達磨 ― 完 -

そのころから、私は度々不思議な夢を見るようになった。
両目が開眼した達摩を抱えた達摩屋の親爺が七転び八起き、七転び八起き、と唱えながら、私をじっと見つめているのだ。
最初は親爺も控え目に、小さい姿で出てきていたのだが、回を重ねて現れるうち、その姿はでかくなり、ついには私を押し潰さん勢いとなってきた。
そうなると、おちおち寝てもいられない。
あるとき、私は夢の中で親爺に問うてみた。
何故、そうそう夢に現れる。お前に不義理を働いた覚えは無い。何か言いたいことでもあるのかね。
親爺は片目でにんまり笑い、
「旦那、なにしろ達摩が開眼しちまったからねえ。七転び八起きなんだよ。達摩が、さ、開眼してるじゃないか、旦那。」
そのあとは、何を聞いても、七転び八起きさ、七転び八起きさ、これを繰り返すだけだ。
ふと、気が付くと、親爺が抱えている達摩も親爺の目玉そっくりに、にんまり笑っていた。
その日は、起きて見ると布団が寝汗でぐっしょり濡れていた。
枕元の達摩を見ると、気のせいだろうが、微笑んでいるように見える。
私は何だか恐ろしくなり、晒で達摩の目を隠してしまった。
達摩は白い鉢巻がずり落ちたような情けない姿になった。



私はそれ以来、なるべく達摩を見ないことにした。
親爺も達摩の夢の中に出てくることは無くなった。
なんだかほっとしながらも、心の片隅では、目隠しした達摩の存在が不気味であった。しかしながら、今さら捨てる勇気も無く、達摩はそのまま埃にまみれて行った。



それから二、三年経った頃だと思う。
会社での私の役割も少し上がり、目下の面倒も見るようになった。
そんな折り、数人の同僚や目下の者が狭い我が家に遊びに来ることになった。
男一人の手狭な家である。何のもてなしもできるわけでもないが、酒があればそれで良い、そういう連中が集まった。
その日は、朝から、まるで毛虫の毛をちらしたかのような細く鋭い雨が絶え間無く降っていた。
天候には関係無く、酒の席は盛り上がり、だんだんに無礼講の様子を呈してきた。
目下のものが達摩を見つけ、何で目隠しをしているのかと問うた。
同僚の一人が岡本綺堂の猿の面かねと囃し立てた。
私は言葉を濁し、曖昧な返事をするだけだった。
と、とりわけ陽気な一人が、達摩を目隠しなどしていたら、これからの見通しが皆無になるぞと言い出した。
そして、晒を取ろうとした。
私は慌てて止めようとしたが、多勢に無勢、みなが酔いに勢いづいて晒を取れ取れと騒ぎ立てる。
酒の席で不気味な夢の話をするのも気が引けて、私は同僚のなすがままを止めることができなかった。



晒を取ってみると、そこに不思議が起こっていた。本当に不思議なのかと問われれば、断言はできない。しかし、私にとっては確かに一つの不思議に違いなかった。
墨で塗ったはずの達摩の目が両方とも白くなっていたのだ。墨は晒に吸い取られたらしい。
同僚は、もう一度願掛けができるぞと笑っていたが、私は何やら胸が蓋がるような、嫌な気持ちになっていた。
その日の酒宴は無事にお開きとなり、私は白目の達摩を見なように気を配りながら、床に就いた。



再び、変な夢でも見るのではないかと心配していたが、そういったことは無く、元来、神経の細かい私の性格がただの邪推をしていたものかと思われた。
ただ、一月経つ頃から、なんとなく辺りがぼんやりと霞んで見えるようになって来た。最初は疲れのせいか、根を詰めて記事を書き過ぎたのか、或いは、記事の下調べに多少の資料に目を通したせいかと、深く考えることはなかった。
ところが、二月、三月経つうちに、向い合せで座っている同僚の顔までぼやけてきた。
眼医者に行ってみたところ、眼球に以上は無く、ただの近視でしょうと言われ、眼鏡を作るように勧められた。
ある一定の年齢で急に近視が進むのは良くあることです。そう言われ安心をした。
眼鏡屋で眼鏡を誂えてもらうと、生活に不自由はなくなった。
ところが、それから一月経つか経たないかのうちに、すぐにその眼鏡は役立たずになった。
眼鏡を掛けていても、辺りは靄がかかったようにぼやっとしている。
私は再び眼医者に行った。
眼医者は暗い部屋でひとしきり私の眼球を観察した後、眼球には異常は無い、どうして視力が低下しているのか判らないと言った。
新しい眼鏡を作るしか手はないが、これ以上、霞みが重大になったら失明と変わらぬ状態になるだろうと、首をかしげながら私に宣告した。



私は失意を抱えながら家路に着いた。
部屋に入って、真っ先に目に入ったのが、真っ赤な達摩だった。
大きな白目を剥いた真っ赤な達摩だった。
そのとき、私は自分の未来を確信した。



翌日、早速に会社には退職願を出した。
そして、完全に視力を失う前に手に職を付けようと思い、按摩に弟子入りした。
幸い、私は筋が良かったらしく、三年かかると言われたところを一年で独り立ちを許された。
独り立ちのお墨付きをもらった日、私の頭の中では七転び八起きという言葉が木霊していた。



「さあ、旦那、今日はこれで仕舞です。
ゆっくり、布団から起き上がって、座ってくださいませ。
最後に背中を整えますので。
七転び八起き、七転び八起きと…。
どうです、少しは体が楽になったでしょうか。
はい、そうですか、お褒めに預かり光栄でございます。
旦那のおっしゃる通り、私は凡記者でいるより、按摩で身を立てた方が向いているようでございます。
いえいえ、気分を害したのではございません。
私自身、そう思っているのでございます。
七転び八起きでございます。
按摩の身の上話を聞いてくださって有難うございました。
この辺にお立ち寄りの際には、また、ぜひご贔屓にしてやってくださいませ。
旦那、人生は七転び八起きでございますよ。
はい、それでは、これで、おいとまさせていただきます。」



私は杖を頼りに家に帰る。
一仕事終わった日には、達摩を片手に、一人杯を傾ける。
これが、至福のときである。


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達磨 ― 其の弐



さて、家に帰ると、六畳間に設えられた床の間とは名ばかりの、狭い床の間もどきの所に達摩を置いた。
そして、買ったからには、人様並みのことをしようと思い、墨を摺って、達摩の片目を黒く塗った。
願掛けはとくには無かったのだが、何もしないのもつまらない気がして、何か好きなものを作っておくれと達摩に祈念した。
私は物に愛着が無い。
物を粗末にするわけでもないが、どうでんこうでん、これでなくてはいけない、そういった物が無い。
茶碗が欠ければ欠けたで、新しいのを買う。鞄の底が抜ければ抜けたで、新しいのと交換する。父から貰った万年筆も、ペン先を変えて使ってはいたが、いよいよ螺子が緩んでインクが漏れるので、新しい物を購入した。
何でもがそんな具合だ。こればかりは無くては困る、壊れてはかなわぬ、そういったものが自分には無い。
だから、女が別れたいと言ったときにもあっさりと別れた。あっさり過ぎて冷たいと言われたが、別れたいというものを引き留める気持ちが私には判らない。
やれ九谷の碗が割れた、やれ高級革の鞄が駄目になった、やれ舶来の万年筆が壊れてしまったと言って、嘆き悲しむ、そういう気持ちを味わってみたい。
軽い気持ちでそう願い、そう願をかけた。



そして、一年という月日はあっという間に過ぎていった。
達摩を買ったときの私は、無職同然のうだつの上がらない契約記者だった。
今は小さな出版会社に席のある身分になっている。この会社に採用されたとき、私の頭には七転び八起きという言葉が蘇っていた。しかし、それは頭の片隅をよぎったにすぎず、何に関連してこの言葉が出たのかさえ、思い起こすことは無かった。



一年が過ぎ、昨年と同じような新年を過ごした。今年は達摩売りの親爺とは出会わなかった。ただ、それだけのことだった。

ある日、町内会の回覧板にお焚き上げのことが載っていた。
昨年度の縁起物は神社の境内で燃やすのだという。
私が達摩を買った神社だった。
振り返ってみても、私に何か愛用品ができたというわけはなく、所詮は気休めの縁起物に過ぎなかったなと思い、私は少し笑った。
そして、達摩をお焚き上げに持っていくことにした。
何年も飾り続けるのも、何か節が無くて嫌な気がしたからだ。



さて、お焚き上げが行われるという日曜日。私は達摩を抱えて、家を出ようとした。
そのとき、何ともいえず不思議な心持がした。
達摩を燃やしたくない…。
達摩のいなくなった床の間もどきの場所は何とも寂しく、私は達摩を元の場所に戻した。
七転び八起きか…。
そう思ったとき、何かが頭の中で閃いた。
私はこの達摩に愛着心を持っている。
願が叶ったのだ。
そうか、そうか、お前はそんな風にして私の願いを叶えてくれたのかい、少し気抜けしながら、私は達摩の頭を撫ぜた。

そして、心願成就したからにはと、再び墨を摺り、達摩のもう一方の目も黒く塗った。







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達磨 



起きてみると、正月らしい。
正月らしいとは、随分、呑気な言いようであるが、ここのところの不規則な生活のせいか、日付がぼやっとしている。

何日か前に、そろそろ晦日も近づいてというニュースを聞いていた。
また、昨夜、夢うつつに除夜の鐘を聞いたような気もする。
ともかく、新聞だ。
新聞を取りに、郵便受けへ行くと、数枚の賀状が一緒に入っていた。
付き合いはそう多くはない。
それでも、筆まめな奴が幾人いて、こうやって義理堅く、賀状の一枚も送ってくれるのだ。

新聞を一通り読み、賀状に目を通すと、腹が空いていることに気が付いた。
一人暮らしでは、お節にも雑煮にも縁は無い。
どこか、店が開いていると良いのだか。
とにかく、出かけてみることにしよう。



私は着物に着替えると、玄関で下駄を履き、街中へと出て行った。
住んでいるところが、わりあい賑やかなところなので、数分歩くと蕎麦屋がある。
店を覗くと開いていた。
店に入り、てんぷら蕎麦を注文し、ふと、昨日は晦日だったではないかと思い、こんな軽口を店員に叩いた。
「昨日の今日の店開けじゃあ、休む間も無いだろうに。」
店員は茶を持ってきながら、へい、昨日はおかげ様で大賑わいで…今日は、近くの神社に初詣のお客様が多いもんですから…などとにこにこ顔で喋っている。
そうか、近くに神社があったかと、普段、無信心な私は思った。
初詣くらい行ってみよう、そのとき何気なくそう思った、それがこの話の発端となる。



神社の石段を下っていくと、ここは面白い神社で本堂が底にある、時間が遅いせいかもしれぬが、行きかう人は少なかった。
五人連れの家族と四人連れの家族が、わいのわいのと石段を登って行ってしまうと、自分一人である。

正月だというのに、屋台も出ていない。
なんとうらぶれた神社なのだろう、でも、この方が静かでよい、そう思いながら、お賽銭を上げ、柏手を打って、一年の安泰を祈った。
さて、帰ろうと石段を上りかけると、旦那、旦那と呼びかける声がする。
声の方を見ると、達摩売りが筵をひいて達摩を並べていた。
「旦那。縁起もんだから、お一つどうですか。」
達摩売りは片目が無いらしく、開いている方の目で私をじっと見つめながら、売り口上を言っている。
「旦那、達摩だよ。七転び八起きだよ。縁起もんだよ。正月の一日に是非、お買いなさい。」
「何しろ、七転び八起きだよ。七回転んでも八回起きるんだよ。こんなに縁起の良いもんは無いよ。さあ、さあ、正月の一日にお一つ、お求めな。」
私は、筵に近づき、小さい達摩を手に取った。
何のことは無い。ただのはりぼてである。無信心な私には用が無い。
私は黙ったまま、達摩を筵の上に戻してから、こう言った。
「私は独りもんだし、願をかけることもとくには無い。おまけに私の小さな家にこんなに派手な置物は似合わない。誰か別の人と良いご縁を持った方が達摩も仕合せだろう。」
達摩売りは、開いている方の目で私をじっと見ながら、食い下がった。
「正月の一日早々に、そんな野暮なことを言うもんじゃないよ、旦那。七転び八起きだって。今は独りもんかもしれないが、いつ何時どんなご縁があるか分らない。そうなってみなよ。かかあの面倒を見て、餓鬼の面倒を旦那が見るんだよ。願の一つもかけたくなることが、きっと起こらあな。そんときによ、赤い達摩さんが旦那に元気をくれるってもんだよ。何しろ七転び八起きの縁起もんだからさ。最後にゃあ、必ず笑うってわけさ。旦那と出会ったのも何かの縁だよ。ほら、旦那、このでっかい達摩を見ておくれ。今日、十ほど運んできたのが、今は一つさ。九個売れったってことはさ、苦はよそ様が、持って行ってくれたわけさ。残りもんには福があるって、昔から言うじゃないか。七転び八起きだよ。本当に勉強させてもらうからさ、この一番大きい達摩を買っておいきよ。」
大玉西瓜ほどもありそうな達摩を押し付けられて、私は面食らった。しかし、反面、愉快でもあった。
しけた神社で買ったどでかい達摩がしけた自分の家にあること、そのことを想像すると自虐的に愉快でもあった。
中身が空っぽの張りぼてが、しけた我が家に鎮座しなすって、この達摩屋の親爺みたいに、片目で俺を睨んでいる。
私は魔に魅入られたかのように、達摩を買った。
七転び八起きか、と思いながら、達摩を買った。








今回の散文は長いので、何日かに分けて掲載させていただきます。

件の弟が小さい頃の話。
お刺身は嫌いでしたが、すし飯は大好き。
寿司屋のカウンターで、僕、何がを握ろうか?と問いかけられると必ず、
「ご飯だけ」と言っておりました。
回転寿司では無理ですねぇ(ーー;)

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金属の破片
が赤ん坊の ようなおとを
たてる
明かりを消した すりガラスの向こう
隙間からしか 覗けない
しなだれたタオルや 俯いた 歯ブラシ

観葉植物の立派な葉
立派な幹
立派な名札 も
皮膚の上面を 心臓の上層部を
なでて いく
上目遣いの 微笑



動くもの といえば
腕 が ある
骨を核として
筋、肉、血管、
皮の中に
秩序正しく 押し込められて

動くもの としては
ざらつく 床も
扉の 向こうまで 続いている
不定形の連続
だ か ら
押してさえ 開いてさえ しまえば



  踏み込める
見知らぬ  部屋
馴染んだ物ものが 息を潜めている
異境の 夜を
額に 込めて
享受 する 新たなる 
樹液















先日、ポストに入っていたチラシを何気なく見ていました。
床にポンと置いて逆さまから見ていたのですが、チラシに、

おじいさんが美しい季節です。」

と書いてありました。

なんのこっちゃ?

チラシの向きを変えてきちんと読んだら、
「あじさいの美しい季節です。」
とありました。
納得(^_^;)


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釣堀奇談

幼いころ、家の近くに釣堀があった。
父は、子どものお守りを押し付けられると、私を連れてよくそこへ行った。
私も釣りをしていたのだろうか。
そもそも、父は釣りをしていたのだろうか。
記憶、が、無い。

腐ったような小さい木戸を開けると、忽然と現れる、そんな場所だった。

久しぶりに生家に帰った。
釣堀は、まだあった。
木戸を開けると、小さな小屋があり、そこで釣竿とバケツを貸してもらった。

水にはうっすらと膜が張っている。風が吹いても、さざ波一つ立てるでも無い。

「いるのかい。」
私は尋ねた。
「いるよ。」
小屋の中から声がした。

私は釣竿を水面に向かって投げやった。
チャポンと静かな音がした。しばらく、膜の上を彷徨っていた錘は、やがて、ゆっくりと水の中に吸い込まれていった。

空は灰色。
周りを見やると、木戸も小屋も、雑草さえもが灰色に見える。
昔からこんな景色だった。
そう思いながら、ぼんやりと水面に視線を落とす。

何一つ、動く気配は無い。
でも、いるのだというからには待つしかない。

ときどき、小さな引きはある。それは戯れに餌をつつく魚なのか。
生家に来て、魚に弄ばれるとは面白い。
まったく私の人生じゃないか。
私は自嘲気味に思いながら、ズボンのポケットをまさぐった。
煙草は忘れてきたらしい。
良いさ。
煙草があろうとなかろうと、時間だけはあるのだから。

煙草の代わりにポケットに入っていた文庫本を取り出すと、私は続きを読み始めた。
いったいどれ位、時間が経ったのだろうか。
周りの景色は先ほどから変わらない。
客は私一人。
管理人も小屋からは出てこない。
まったくもって、愛想の無い店主と客である。

さっき付けた餌は、もう無くなっているかもしれない。
餌を新しくしよう。
そう思い、釣竿を上げようとしたとき、何か抵抗する手応えがあった。

ゆっくりと釣竿を上げ、釣り糸をたぐる。
釣針の先には、思わぬものがひっかかっていた。

これは、父の顔ではないか。
そうか、私がここに来るまで、ここで、こうやって待っていたのか。
私は、父の顔をバケツに入れた。

今日の釣りはこれでお仕舞にしよう。
私はバケツを持って、小屋へ行き、釣ったものの代金を払った。

管理人の親爺が、
「珍しいものを釣りましたね。」
と言いながら、ニヤニヤしている。
私は、
「そうかね。」
とバケツの中を覗きながら、返事をした。
「この季節にこういう代物はなかなか出てきませんや。旦那と馴染みが深いんですかね。」
親爺がなおもニヤニヤしながら言うのが、面倒臭く、
「さあ、どうだったか。」
と適当にあしらって、父の顔をビニールの袋に入れてもらった。



父の顔をぶら下げながら、これをどうしたものか考える。
どうせ、帰りの途中に墓がある。
そこに納めてくるとしよう。

私はあちらこちらの店を覗きながら、ぶらぶらと歩いた。
そうだ、煙草を買っていこうと思い、煙草屋に立ち寄る。
小さな窓から煙草を受け取り、ふと、横を見ると路上で何かを売っている者がいる。
青いビニールシートの上に、何やら広げてあり、婆さんが店番をしている。
興味半分に眺めていると、婆さんがこう言った。
「うちの庭で採れた青梅だよ。」
「ほう、そうかい。」
私は言いながら、しゃがみ込んで、梅を一つ手に取って眺めた。
「随分と小さいね。早生なのかね。」
私がそう言うと、
梅に早生も何もあるもんかね、命日ぐらいは覚えておくもんだよと、婆さんはぼそぼそ言いながら、私の手から梅をひったくった。

仕方なく、私は立ち上がると、また、ぶらぶら歩き始めた。
どこかで寺の鐘の鳴る音がした。
もうすぐ日が暮れるのだろう。

墓地に着いたころには辺りも薄暗くなっていた。
私は我が家の墓石をずらして、父の骨壺の横に父の顔を置いた。
それでも、まだ、隙間があるので、不思議に思っていると、父の顔が喋りはじめた。
骨壺の中をあらためよと言うのだ。
私は父の骨壺を開けた。
頭蓋骨が入っている。
これは、どういうことだろう。
私は煙草に火を点けて、煙草を吸おうとした。
ところが、口が見当たらぬ。
ああ、と得心した。
今日は私の命日だった。
私が墓の中に蹲ると、墓は丁度良い広さになった。
昔から、父とは瓜二つだねえと、良くいわれたものだったと思いながら、私は静かに目を閉じた。












今回は、短い物語調の散文詩を書いてみました。

で、落とし噺なのですが、この詩を書いていて思い出したことがあります。

一家で高知県に行った話はどこかで、書いたと思います。
そのときのことです。
とにかく、夜空がきれいなので、夜の浜辺へ散歩をしてゆっくり楽しもうということになりました。
浜辺にシートを引いて、宿の奥さん心づくしの料理を並べ、
さあ、食事!というとき。

弟がうわーッと泣き出しました。

「空の星が水疱瘡みたいで気持ち悪い!!おうちに帰りたい!!」

確かに、手が届けばじゃらじゃら引っ掻いて落とせるような星、星、星。

弟は水疱瘡が治ってすぐのこと。

そんな他愛もない思い出話でございます。

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たまご

Ⅰ  たまごに関する幾つかの考察

 

 

卵とは生以前の生命である

卵を産むのは雌のみである

卵は未分化なものの象徴として捉えられることがある

卵とは回帰すべき原初的統一体である

卵は再生をも象徴する

 

 

Ⅱ  たまご十態

 

 

 

立ち止まる卵

傾く                  

 揺れる                           

 転がる                                 

 はずむ                                    

 踊る                                      

 飛ぶ                                 

 着地する                      

 身震いする           

収まる卵

 

 

 

Ⅲ  たまごとおとこ

 

 

卵を眺める

卵を撫でる

卵を舐める

卵に顔を近づけて

匂いを嗅ぐ 動きを聞く

卵を投げる

卵を受け取る

卵を抱きしめる

卵を温める

とはいっても

孵化しようとは思わないので

放り上げる

なるべく高く垂直に

すると 卵は

独自の力によって 加速していく

自転しながら

 

やがて

落ちてくる

マッハのスピード

大気との摩擦によって

燃え盛りながら

小型の太陽のように

これが真の姿 と

叫んでいるのが 聞こえる

 

大いなる母の工夫によって

殻が炭化しながらも

卵が燃え尽きることはなく

無事に 着地するのを

掴んで

握り締めると 殻は割れて 

ポロポロと 剥がれ

中からは 艶やかな

原初の コスモス

光り輝く cosmic egg

を 食べる

余すところなく

 

が 

産むことが出来ぬので

激しく悔いている

 

その男に向かって

卵を 放り投げてやる

宇宙開闢以前の

ニュートラルな姿に 戻るため

密かに毒を盛っていた

わたしの卵を

 

今度は

卵を抱いて

真摯に 温めている

未だ見たことの無い 生き物を

孵化させるとは知らず
 
















先日の話。同居人が私を大声で呼びました。

「え?ここにいるよ?」

と答えると、

「何だ~、寝てるのかと思った。」

私は熊のぬいぐるみを二つ、枕元に置いています。一つはピンク。もう一つは真っ黒な熊さん。
掛布団からはみだしていた真っ黒な熊の頭に向かって、話しかけていたようです(-_-)/~~~ピシー!ピシー!



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Restart

隠れる ため の とっておきの 場所

  一人 しか 入れない 狭い 場所

   誰 の 声 も 聞こえぬ 場所

    どんな 光 も 届かぬ 場所

   誰 の 視線 も 感じぬ 場所

本当 に 一人ぼっち に なれる 所





         今朝 そこへ行ってみると

         見知らぬ 男 が

         そこ に 居た

         男 は こちら の 気配

         には 気づかず に 腰を

         降ろそうと した 姿勢の

         まま 指先から ゆっくり

         と 固まる ところだった






                     乾いて

                     固まる

                     ま で



                     待つか

                     固まり

                     切らぬ



                     生身の

                     うちに

                     追い返

                     す

                     の

                     か





   一瞬 息 を 呑んだ 後

       振り返らず に 走り出して いた

            わき目も 降ら ず 走り出して いた






街 の あちら こちら には

 そんな 隠れる 場所 が あって

   いろんな 奴 が 好きな 形 に 固まり

     初めて いる 時間 夜 が 開けて 大地

       が あからさまに なる 前 に 隠れ 固まり

          風景 の ひとつ となって いく それ が

          正しい

          生き方


         
          (誰に聞いたか 覚えては いない

                親 が 教えたの か

                  それも 知らない

           だけど みんな が 知っている

           正しい 生き方)




パズル の ピース ちっぽけな

   そう お前 は

     パズル からも 弾きだされた

        居場所 の 無い ピース




さあ ついて おいで

  お前 の ような もの が

     たくさん 集まって いる

        そんな 場所 が ある

早く しないと 夜 が 開けてしまう

  お前 の その 姿 を

     太陽の下 に 晒す 自信

         お前 には あるのかい

      さあ お急ぎ 

       お急ぎよ






                聞きなれた 声 が

                せかし たてる

                我 に 従え と

                せかし たてる






一瞬 の 躊躇

届きそう で 届かなかった 指先

声 の 主 は もう見えず

見慣れぬ

陽光

といもの が

      嘗めるよう に

          ゆっくり と

      シーツ を めくる ように

      幕 を 開ける ように

      淑女 が スカート を 翻す ように

      赤ん坊 が 母体 から押し出される ように





      街 を

      細部 に わたって 詳らか に していく






     そのとき に 見た

        自分 の 姿

      はみ出し ものの

        ピース では

         あった が

確かに 脈 を 打ち

呼吸 を し

大地 の 上 に 立っていた




みずぼらしい と 言われよう が

日陰者 と 言われよう が

できそこない と 言われよう が

存在

で 

ある こと

の 確かさ






          泣きたい程 に 心細く

          叫びたい程 に 恥ずかしく

          声も出ぬ程 に 孤独 で あった が




そこに 「いた」

の だ




そこから 歩き出 す

行く先 など 無くて 良い

踏みしめる こと の できる

地面 が あれば

それで 良い






              景色 から 溢れた

                    ところ

                      で

                 吹きこぼれる

                    熱 い

                      塊

                      と

                      な


                      る   















今日は母の名言をひとつ。
昔、テレビでローリングストーンズのコンサートをやっていました。

それを、聞いた母が、

盆踊りやってる


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烏賊

   


白く滑る胴体を洗い

艶やかに光る腸を取り出し

指に吸い付く吸盤をこそげ落とし

健康な肉に刃を突き刺した



それから二匹の若い烏賊は

絡み合い もつれ合い

お互いに潜りあったり すり抜けたりしながら

ふつふつと煮えていった




 烏賊は深海において

 食物連鎖の頂点に立つもの

 烏賊はとてつもなく貪欲なのだ



 黒のミクロの粒子が

 息も出来ぬほどにびっしりと浮遊し

 ぶつかり合い ゆらぎ合っている深い海の奥で

 くねり合ったり 翻り合ったりしながら

 自らの体を発光させる



 そして

 ある時は餌をおびき寄せ

 ある時は雄を呼び寄せ

 命の連鎖を保っている




女は気付いていないが

女の体の中では

微妙な変化が起きていた

烏賊を食らったせいで



更に食物連鎖の上位に立つ

   

   


女の体の中で光る海の神秘に

呼び寄せられて集う儚い命の数々

餌食になる事も知らず

光を求めてきた物言わぬもの達



そして

やはり

沈黙のまま

全てを食らって行く女の静寂な性



ゆらめく海の底で

潮の満ち引きに誘われて繰り広げられる物語














私の父の名言をひとつ。

とある日曜日。
きょうだい3人で、
「ねえ、パパ、どっか行こうよ、どっか連れて行ってよ!」
「どこか、行きたい!退屈なの!!」
「ねえ、ねえ、ねえ」

と、父に纏わりついておりました。

切れた父が、

「おまえたち、草行って、庭でもむしって来い!!」

と、のたもうたのです。
上げ足を取られ、さんざん子どもたちから囃し立てられた父は、本当に切れて、
ドスドスドスと足音も荒く、自室にこもりに行ったのでした。



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プロフィール

suffii

Author:suffii
文学少女でした。
現在は本を読むより、音楽を聴くほうが多いです。
好きなのはロック。
昨年よりボイストレーニングとエレキギターの練習を始めました。
気ままに書く詩や日常の忘備録です。

趣味ですが、文字に触れること、音に触れること以外に着物を着ることが大好きです。
伝統にのっとりきちんと着ることも好きですが、着崩す面白さにも最近、目覚めました。
着物にハイヒールでエレキ弾きます。


お時間があったら、覗いてみてください。

そんな奇特な方はいらっしゃらないとは思いますが、無断転載はご遠慮ください。

それから、できれば拍手をよろしくお願いします。
超初心者ですが、訪問してくださる方がいること、
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